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よがらし日々迷走記

『the Wrestler』


 ゆうべ、録画しといた6.22後楽園大会をじっくり見た。やー、クリス・ヒーローには泣けたね。ここにもエメラルドの継承者がひとりって感じで。斉藤彰俊はやっぱりぜんぜん生彩がなかった。1日も早く吹っ切ってほしい。

 それで、これを見たことで、なんとなく喪明けした感じで、ようやく映画『レスラー』の話を書いてもいいんじゃないかと思うようになった。ので、さっそく。

 というわけで、『the Wrestler レスラー』です。

wresaler.jpg

 けさのMX「U・LA・LA」によると、ミニシアターの観客動員数1位だそうで、それはそれでめでたいけど、もっと全地球的に知名度をあげたい作品ですよ。これは。

『T4』とか『トランス』みたいなくず映画はやめて、こっちを見たほうがぜったいお得よ。埼玉じゃ、ついにレイトショーの1日1上映になっちゃったけど。しくしく。

 以前に、これは『ビヨンド・ザ・マット』のフィクション版じゃないかって書いた(こちら)けど、そうじゃなかった。マクマホン一家とのつながりはいっさいなし。舞台はむしろ、つぶれる前のECWのノリだった。

 お話はとーこちゃんが先に書いているんで、こっちを見てもらうとして、いやいい作品でしたよ。というか、ミッキー・ロークにつきるわけですが。

 ミッキー・ロークは日本では、あのシースルーパンツとネコパンチですっかりイメージが固定されちゃったけど、これを見たら評価が一変しますよ。いやほんと。いろんな主演男優賞をさらっていったのも佐茂有南。 この男、この作品を撮るために生まれたのかもしれない。そのくらい圧倒的なのです。

 なんたって、本人がノータッチ・トペを敢行しちゃったんだから。これ見たときは慄然としましたよ。「リアル」なはずの『ビヨンド』のミック・フォーリー(そういえば、こっちもミックだ)をこえて、リアルなのね。

 プロレスのシーンはバックヤードまでふくめて、すべて本物。というか、演技なんだけど、フィクションはない。あくまでリアル。これも圧巻で、いままでボクシング映画でこういうのはあったけど、プロレス映画では、史上初でしょう。

 反面、ランディの私生活の部分は、やや弱いかも。とくに、娘とのやりとりは、意図はわかるけど、ぜんぶはいらないんじゃないかな。なんというか、「虚構」であるレスラーとしての部分がものすごくリアルなので、「現実」の私生活のほうが、空疎なのね。それが狙いといっちゃえばそれまでですが。

 とにかく、三沢が亡くなって、プロレスっていうものに関心が集まってるいまだからこそ、ぜひ見てもらいたい作品であります。

 あとは、蘊蓄というか。

 見てのとおり、ランディのモデルはハルク・ホーガンだし、対になる伝説のヒール、アヤトーラはアイアン・シークだ。プログラムにもそう書いてある。でも、映画を見ているあいだ、ランディはスーパースター・ビリー・グラハムで、アヤトーラはザ・シークだった。

 つまり、コピーじゃない、オリジナルのほうのイメージが、非常に強い。 知ってる人には。たぶん。

 実際、ホーガンはあそこまで落ちぶれなかったし、ステロイド剤で死にかかってもいない。アヤトーラのほうも、自動車ディーラーで成功したっていうのを見て、すぐ「デトロイトの帝王」って言葉を思いだしたり、いろいろ。

 ランディが活躍したのは、そういうわけで80年代の設定なんだけど、その前、70年代のレスラーが、なぜか思い浮かぶんだよね。

 これはもちろん、現代までつづくアメリカン・プロレスのギミックが、70年代にだいたい出そろったからという意味もあるだろう。

 でも、つくった人はビリー・グラハムやザ・シークを、多分に意識していたんじゃないかと思う。もしかすると、この作品自体、その年代へのオマージュにもなっているのかもしれない。なんか、そういう気がした。

 だから、もし場末のダーク・マッチのシーンで、アブ小あたりが出てきたりしたら、それはそれで涙ものだったんじゃないかな。

 というような見方もできるんですよ。これはだから、プロレスを知りつくした人がつくった作品で、コアなファンも納得させる内容になっていると、そう断言できまする。はい。

 いや、WWEマンセーの人間には、理解できないか。(´・ω・`)
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コメント

>観終わった後、ミッキー・ロークはこの作品に
>出るために役者を続けてきたのではないか

最初はニコラス・ケイジの予定だったそうで、だったらぜんぜん違う作品になったでしょうね。ミッキー・ロークの人生があったから、傑作になったのだと思います。

  • 2009/07/02(木) 08:38:53 |
  • URL |
  • よが #-
  • [ 編集 ]

小生も本日、池袋で観てまいりました
所謂「リアル」なアメリカ映画としては
今現在のところ、個人的には2009年NO1映画の
クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」に
勝るとも劣らぬ作品と感じました
観終わった後、ミッキー・ロークはこの作品に
出るために役者を続けてきたのではないか
そんな思いにさえとらわれました

  • 2009/07/02(木) 08:21:49 |
  • URL |
  • 流転 #-
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