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よがらし日々迷走記

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『ウォッチメン』読了


 やっと読み終わりましたよ、『WATCHMEN ウォッチメン』。前のエントリはこちら

Wtcmen01.jpg

 これは「小説好きに捧げるアメコミ」ですね。ひと言でいうと。もちろん、アメコミっていう形式をとっただけで、グラフィック・ノヴェルといってもいいし、たんに小説といってもいいでしょう。小説がかならずしも、文字媒体である必要はないわけで。

 逆に、ローダンは文字で表現するコミックといってもいいし。それはおくとして。

 この作品の複雑怪奇さは、ある意味、80年代以降のアメリカ小説と共通するものがあります。個人的には、そういう小説にうんざりしてるんですが(さんざん読んだあげくにね)、これはコミックという体裁をとっているぶん、煩雑さが緩和されていて、1日に30分とか、1時間しか読めない読者でも、最後まで興味をとぎらせずに読了できるんじゃないかと思います。たぶん。

 もちろん、もっと時間がある人は、いっきに読んでもいいわけで。たぶん12時間くらいはかかると思うけど。

 それにしても、うまいね。作品のつくりかたが。

 スーパーヒーローが実在する世界、ニクソンがまだ大統領をやってる1985年の世界
……東西の緊張が極限まで高まった世界を舞台に、その全設定を巧妙に使って、ヒーローが最終戦争を回避しちゃう。

 ごくおおざっぱにいうと、こういうストーリーだけど(最初は犯人探しのミステリーだけどね)、そのなかにどろどろとした、汚穢みたいなサイドストーリーがこれでもかっつーくらいに詰まってるわ、暗喩たっぷりの劇中劇というか、コミック中コミックが展開されるわ……という、想像を絶した物語世界が展開されるのです。

 なかでも、最終戦争を回避する方法が、これがすごい。いままでごくふつうにいわれてて、だからだれも作品にしなかった方法を、臆面もなく使ってるんですよ。ところが、この方法を成立させるには、スーパーヒーローが実在する世界が必要なのね。

 このへんの構造が、なんともいえず、魅力的なのです。

 また、たとえば上記のコミック中コミックに、さらに書評が添付されていたりする構成は、例の世紀の奇書『紙葉の家』を彷彿させます。いや、かなり色濃く影響をうけてる感じだな。もちろん、『紙葉の家』のほうがあとで書かれてるんで(2000年刊)、こっちがですが。

 そう、ある意味、これが『紙葉の家』の原点なのかも。

Wtcmen03.jpg

 というわけで、ならべて記念写真を撮ったりして。この2冊をともに読破したっていうのは、自分にとっては大きな事件だったといっていいでしょう。

 ともあれ、自分が読書人だと思う人は、これは一読したほうがいいっす。それだけの価値はあります。

 あと、映画については……これだけの内容を数時間につっこむのは不可能なので、たぶん原作の10分の1も描けてないでしょう。予告編を見るかぎり、そう思います。はい。これは映画より原作のほうがいいよん。きっと。
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コメント

最後は……あの日記を公開しちゃうんでしょうね、たぶん。あとはどうなるか、想像にまかせるということで。

考えたら、あの最終戦争の回避方法、大昔にろーだんも使った手でした。すっかり忘れてました。(^^;

  • 2009/03/17(火) 09:13:09 |
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  • よが #-
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物語の迷宮

イャ~、凄い作品ですね
なんとか最後のページに辿り着きましたが
本当に「読めた」のか全く自信がありません
(何か誤読さえしそこなったなった気が・・・)
本当に貴兄の言われる通り、読者のリテラシーへの挑戦ですね
しかし、コミック部分の最後の小さなコマに描かれた「午前零時」(?)の時計・・・
これは一体、「何」なのか?
ドクターマンハッタンの「最後?、何事にも最後などありはしない」のセリフに共鳴して
何とも言えぬ、不安で混迷した読後感を残します
今すぐではシンドイので、暫くしてから再チャレンジしたいと思っております


  • 2009/03/16(月) 22:32:38 |
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