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東洋亭パーツ館新本店

よがらし日々迷走記

読みたかった本


 じつはこれであります。

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『WATCHMEN ウォッチメン』小学館集英社プロダクション 3570円

 これはカバーで、中味はこーなっとりますが。

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 amazonだと、こちら

 まあ、わかりやすくいうとアメコミです。実際は「グラフィックノヴェル」と呼ばれるジャンルで、たとえばバットマンの『ダークナイト・リターンズ』なんかと同じ系列の作品。

 というか、私の知るかぎり、この『ウォッチメン』がアメコミという枠をとびだした、「いわゆるグラフィックノヴェル」の第1号らしいです。

 コミックで唯一ヒューゴー賞をとってるし、興味はあったんだけど、アメコミとは似て非なる複雑怪奇な作品なので、とても原書で読む能力はなく、翻訳版は10年近く前に1回出たものの、すぐ絶版になって、もう入手困難だったのですよ。

 ところが、今年にはいって、これが実写映画化されて日本でも公開されると、マイミクさんの日記で知り(細さまいつもどもども)、チェックしていたら、やっぱり新訳版で再刊されたというしだい。

 なので、さっそく注文して、とどいてからは時間があると読んでるわけですが(競輪に身がはいらないのは、おもにそのため)……

 これが思った以上に複雑怪奇。だいたい、アメコミも読みなれていないから、ただでさえ時間がかかるのに、伏線やらなにやらが思いっきりからみあって、なかなか前に進みません。はあ。

 読み終わるのに、あとまだ1週間はかかるだろうなあ。先は長いのであった。

 でも、ひとつだけ。これはハマるですよ。いやほんと。

『巨人譚』


 諸星大二郎の新作、新刊『巨人譚』。光文社1600円。

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 えーと、短編集未収録のものをふくめた中短編5本に、描きおろしの「ギルガメシュの物語」を追加した6本。2部構成で、第1部はギルガメシュ叙事詩や、ギリシア神話などからアイデアを得たもの。第2部は「諸怪志異」シリーズらしい。

 第2部はまちがいなくおもしろい。初見じゃないような気もするけど、すくなくとも「諸怪志異」と同系列で、中国の古典を下敷きにした、諸星ワールドの定番だから。

 ただ、第1部はどうかな。ある短剣にまつわる連作っていうことになってるけど、どうもピンとこない。

 アルジェリアの有名な壁画「セファールの白い巨人」を題材にした「砂の巨人」はともかく、あとは諸星さんが描く必要もないような、ありきたりの話という気が。(^^;

 とくに、描きおろしの「ギルガメシュの物語」は、エンキドゥが死んだあとのエピソードで、盛大に空を飛んだりはしないのよね。地味というか、おちついてるというか。

 だから、帯のキャッチにつられて買うと、裏切られたと思う人も多いかも。

 はっきりいって、「栞と紙魚子」のほうが、いまの諸星さんっぽいよ。

フォレスト・J・アッカーマン逝く


 共同の訃報より。見落としてました。「フォレスト・アッカーマン氏死去 米国のSF・ホラー雑誌編集者」というエントリ。

 雑誌の編集者というより、ザ・SFファンです。日本では根づかなかったけど、サイ・ファイという言葉の生みの親というか。

 あと、アメリカ版ローダン・シリーズの発行者という印象も強い。結局、アッカーマン版は100話をこえたあたりで中断して、あとは同人誌として断続的に出ているだけみたいだけど。

 直接の関係はそれだけですが、遠い異国の大先輩という感じで、やっぱり訃報に接するとさびしい気はします。合掌。(-人-)

神田古本まつり


 今年も文化の日の前に、神保町では古本市をやっているそうで。こちら。昔は青空古書市といってたと思うけど、いまは「古本まつり」が正式名称とのこと。

 10代から20代にかけて、コレクターだったころは毎年行ってたもの。当時は錦華公園のなかでやっていたと思った。いまは知らないけど、当時はほんとに掘り出し物があって。なかでも、いちばん思い出のある発掘品は、これ。

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 月刊ペン社が71年に発行した『アンソロジー 恐怖と幻想』初版3巻ぞろい。

 これを80年ごろ、3冊2000円で手に入れたのですね。しかも、見てのとおりの美本で。当時から、もう入手困難な本だったので、これは文字どおりの掘り出し物でした。はい。

 編者は故・矢野浩三郎さん。60年代末からはじまったホラー作品の第1期ブームのなかでも、歳月社が出した『季刊・怪奇と幻想』とならんで、もっとも先鋭的な作品をラインナップしたといえるでしょう。のちのホラーの系譜を考えると。

 クトゥルー系も何本か収録されてるし、『マタンゴ』の原作「闇の海の声」もはいってるし。ダンセイニの『谷間の幽霊』は、たしかこれではじめて読んだはず。

 いまも、初版とか状態とかにこだわらなければ、そろいで1~2万円で流通していると思うけど、初版は出ないでしょう。たぶん。

 そのくらいの宝物なので、古書市というと、この本を思いだすのでした。

『キャラクター・エイジ』


 きのう、版元に行く途中で買ったムック。

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『キャラクター・エイジ』というタイトルで、発行は学研。A4判。

 表紙がいい。燦然と輝くルナ・キャリアを見て、ついふらふらと買ってしまったんだけど、某タイガー・キャプテン風のモデルもいい。さらに、小松崎茂画伯のボックスアート原画集が付録についてる。

 つまり、青森でやってる「ボックスアート ~プラモデルパッケージ原画と戦後の日本文化」関連の企画ものだと、そう思って買ったわけですが……

 う~んと。要するに60~70年代SF系プラモデルを、いろんなかたちで復刻するというコンセプトで、けっこうな復刻版ルナ・キャリア(商品名は「ムーントランスポーター」といってたそうだが、まあルナ・キャリアです)の話とか、某キャプテン連装砲塔版をフルスクラッチした作例とか、それなりにおもしろいんだけど、それだけなんだよね。orz

 読み物として、つまんないんですよ。表紙のデザインセンスはいいんだけど、それがすべてという感じで。できあがりをならべて、きれいきれいでレイアウトしてあるだけ。作例を載せる以上、すくなくとも、もっと詳細な作業工程がないと。

 とりあげてあるキットは、8割がた、リアルでつくったものばかりだったのですよ。にもかかわらず、あんまりなつかしくないのね。それはたぶん、作業工程とかがないんで、つくった当時のイメージが蘇らないからではないでしょうか。

 それと、オリジナル金型やパーツ型などをもとに、極力オリジナルの再現をめざしているケースが多い(なんとかキャプテン二連ターレット版をのぞく。これはほんとに労作だと思いましたよ)わけですが、べつにオリジナルに拘泥する必要はまったくないと思うのですね。

 それより、安く手にはいるほうが、はるかにいい。たとえば、おととしの1/72ミレニアム・ファルコン@ファインモールドみたいに。

 理想をいえば、ファインモールド様がルナ・キャリアや0X号を、オリジナル・スケールモデルでつくってくれるのがベストでしょう。そういう方向に持っていけないのではナンダカナン。

 という、かなり消化不良な1冊でありました。

 付録のボックスアート原画集はB5判28p+表1~4。

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 これが見たくて買ったという部分もあって、こちらはまあまあ。なかでも、ゲッター・ポセイドンは見たことがなかったので、眼福でありました。

 今月に出る画集の前宣伝ということだけど、これだけで充分なような。(^^ゞ

 ただ、こっちもやっぱり情報量がすくないのが不満で、編集面ではまた改良の余地があるようです。はい。

いただきもの


 いつものように、東キャナルの『モウコジャコウソウ通信』をいただきました。ほんとにありがとうございます。

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 今回のレポートは2本で、執筆はどちらも石田純一さん。

 1本めは『金森達SFアート原画集』と、その出版記念パーティについて。誘われたけど、行かなかったんだよなー。ちょうど翻訳締切月の締切間ぎわだったもんで。光瀬さんの奥様が出席されていたとは知りませんでした。

 この画集はある意味、光瀬作品の原画集になっていて、表紙もわかる人は一目瞭然の『喪われた都市の記録』ハードカバー版のものだったりする。ビーケーワンでは、こちらから。

 金森さんというと、やたらハードなイメージもあるけど、たとえばSFマガジン連載時の筒井さん『馬の首風雲録』のイラストなんかも手がけていたそうだ。こないだのキャンプで、永瀬さんから聞いた。寝ぼけてたから、ほかの作品だったかもしれないけど。

 話はそれるけど、このころ……70年代前後のSFビジュアルを語るとき欠かせない、大伴昌司 さんの作品を集めた、『 少年マガジンの黄金時代 ~特集・記事と大伴昌司の世界 』という新書が発売される。この本は買うかどうか、ただいま思案中。新書版というのがネックで。

 閑話休題。

 レポート2本めは最相葉月氏『星新一 1001話をつくった人』から、70年代のファンダム、とくにいっせいに設立された作家のファンクラブ(キャナルもそこにふくまれる)の話など。

 そういえば、60年代ファンダムの動向については、巽さんがまとめたものがネットでも読めるはずだけど、70年代については、乱立したこともあって、まとまった記録がない。

 このへん、顔のひろい石田さんあたりがまとめると、それはそれですごい資料になると思うけど……むずかしいよね。とにかく、すごい数で。私も最盛期は、20カ所くらいとつきあいがあったからなあ。

まざる

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 このあいだ、タイミングがずれて『栞と紙魚子の百物語』を書きそこなったので、今回は早めに『バイオの黙示録』を。諸星大二郎の最新刊。集英社、800円。

 久々にSFっぽい話で、ある意味、諸星さんが原点に回帰したような作品といっていいんじゃないか。

 デビュー作(だよね、たしか)の『生物都市』からこっち、諸星ワールドのポイントになる作品のキーワードは、たぶん「まざる」だと思う。ゲーム「塊魂」をはじめて見たとき、「こりゃ諸星ワールドだ」と、思ったのは、文字どおり「まざる」からだろう。

 その「まざる」を久々に正面からとりあげているのです。

 とはいえ、ここ数年の「達観したような」軽さもふくまれてるし、まざることの不条理さが薄い感じはするし、ストーリーづくりもある意味でそつがなく、やっぱり老境というか熟練期にはいってきたのかなという感じ。

 なんというか、「まざってしまう」んじゃなく、淡々と「まざる」というか。恐怖感も、たぶん恍惚感もないのですよ。いや、だからこその不条理と考えるのかな?

 このへん、かつてのJ・G・バラードのある種の作品を彷彿させます。『沈んだ世界』あたり。

 ここ数年は『栞と紙魚子』や『グリム風』にすっかりなじんでいたので、この作風はすこし懐かしかったかも。

 ついでに。

 話はぜんぜんちがって『ポニョ』なんですが、友達の知りあいの方のブログに、すごいレビューがありました。これはブログにもメモしておかないと。「てすかとりぽか」さんの「『崖の上のポニョ』クトゥルー神話」というエントリ。

 これは卓見です。つか、そう思う人が多いようで。

『戦いの子』

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早川書房刊 1000

 まだ読んでないけど、とりあえず。

 タイトルと表紙を見て、読みたいと思っていたら、ご恵送いただきますた。いつもすいませんです。_(._.)_

『戦いの子』Warchild カリン・ロワチー著、嶋田洋一訳。「超弩級戦争SF!宇宙海賊に捕われたのち、敵対する異星種族に救けられた少年ジョスがたどる、波瀾万丈の冒険譚」(ハヤカワ・オンラインのキャッチに一部加筆)。

 読む前からあれこれいうのはアレなんですが、これはおもしろいよ、きっと。ツボにはいってるのが、わかりますから。ひろい意味でのスペオペでしょうけど、翻訳の嶋田さんによると、ハインライン風味が効いてるそうで。

 いわゆるひとつのアレです。「戦いのなかで成長する少年」。ほら、ツボでしょう?

 ただ、どう見ても中高生くらいにターゲットをしぼったほうがいいと思うのに、そのわりにぶあつい。(--;

 これが難点。文庫で650pというと、私が責任編集者だったら、2分冊にします。贅肉もそぎ落として、280pの上下巻に。そういう、日本の読者に読まれるための……

 まあいいや。それは職業的視点ということで。(^^;

 閑話休題。7月は翻訳の締切月なんで、読む時間がありませんが、8月中には読了して、またレビューでも載っけたいと思っとります。はい。

 ビーケーワンからはこちら

 そうそう。これには姉妹編も2本あるとのことで、これの評判がよければ、その2本も刊行されるかも。

あらためて、原点


 野田昌宏大元帥が亡くなったのをきっかけに、大元帥→ エドモンド・ハミルトン→ フェッセンデンという流れで、すごく久しぶりに古典SFを読んどります。

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『フェッセンデンの宇宙』中村融編訳、河出書房新社1900円

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『反対進化』中村融編、東京創元社920円

 どっちも短編集で、古典こてんの古典。ハミルトンはスペオペといわれてるけど、ぢつは短編は「最新科学小説」的な趣が強かったりする。ただまあ、その「科学」はいまから見るとトンデモ系だったりするわけだけど。

 いや、違うな。戦前に書かれたスペオペも、じつは最新科学(理論)がかなり色濃く反映されてたりするわけです。ただ、その認識あるいは知見が古いため、疑似科学というか、嘘科学みたいに見えるだけで。

 いま、それを読むと、ある意味でロストフューチャーだったりするのが、またおもしろいのですが。

 というような解説は、きっと書評や書誌の専門家の人がいっぱい書いていると思うんで、感想だけ。

 う~んと。ね。こーいう話でしたっけ?(´・ω・`)

 もちろん、表題2作をはじめ、半分以上が既読なわけで、そのアイデア部分はおぼえてるわけですが、ストーリーがね。

 たとえば、「フェッセンデン」。いってみれば1幕1場ものなんだけど、記憶では、もっと展開があったような。(^^;

「反対進化」も、アクションというか、どんぱちがあったとばかり思ってたんだけど、完全に説明だけなのね。そうか~。

 このへんは中高生のころ読んだわけで、記憶はすでに35年のかなたにあるから、勝手な思いこみでずいぶん歪曲してるわけです。はっきりいって、いいほうに脚色しているというか。

 あと、現代小説にくらべると、読みにくいのはたしかで、このへん、誤訳といわれてもいいから、『赤と黒』みたいに、読みやすさ優先にしちゃったほうがいいような気がします。はい。私は編集者として、そっち派だから。

 ただ、それらをさしひいても、読み進んじゃう、根源的なおもしろさがありますのよ。このハミルトンの短編集には。

 いや、たぶん、若いころ沈みこんだ、あの1930~50年代SFには、どれもそういう根源的な力があるんだと思いますな。なぞの力線みたいな力が。

 いまは2冊を同時進行で拾い読みしてて、「アンタレスの星のもとに」が半分くらいまでいったところですが、この作品をふくめて、どれも味わって読みたい作品ばかりでありました。

 でもって、次はハミルトンとならんで、私の海外SFのもう一方の原点、アルフレッド・エルトン・ヴァン=ヴォクトの短編集でも読んでみたいぞっと。

 そうなんですよ。わしのSFの原点って、クラークとかハインラインじゃなくて、ハミルトンやヴォクトなのですよ。で、この時期、あらためてこーいう原点に回帰するのは、たぶんとっても重要にちがいないと思ってるわけです。

愛の戦士たち


 日曜日にはとどいてたんですが。

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 ホビージャパンの『キューティーハニー THE LIVE公式ビジュアルブック』が発売されておりまして。

 でも、きょうまで持ちこしたのはなぜかというと……

 うーんと、よくも悪くも「ビジュアルブック」なのですね。3ハニーの撮りおろしスチルがメインというか、ほとんどすべてというか。たとえば、これは表4なんですが、

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 こういう映像が大半なわけです。それはそれでいいんだけど、特撮ドラマのメイキングというと、これでいいのかどうか。やや疑問がのこります。はい。なんというか、熱い思いが伝わってこないというか。つくり手のなかの人、醒めてません?

 まあ、個人的に、2400円は高くないとは思いますが……高いか。(^^;